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【感想】上橋菜穂子『精霊の守り人』の面白さを3つのポイントで紹介!

こんにちは、おさるです。

今回は漫画化、アニメ化、ドラマ化と絶大な人気を誇る『精霊の守り人』を紹介します。

あらすじ

女用心棒バルサはある日、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。

彼に宿りしは、精霊の卵。サグ〈この世〉とナユグ〈あの世〉にあわいに存在する不思議な宿木にされてしまったのだ。

――そのモノが、何であるとはいいがたいが、もしも、遥かむかしに滅んだとされているモノならば、宿られた者が死ぬのは、宿ったモノをたすけられなかったときであるといわれている。宿られた者が夏至まで生きのびて、宿ったモノをたすけられれば、その者も生きのびられるだろう。――

――呪術師トロガイ、二ノ妃への返答にて

 

物語が進むにつれて明らかになっていく精霊の卵に隠された秘密。新ヨゴ皇国の建国神話の真実。

さらに皇位継承者をめぐる政争、ナユグの生物ラルンガによる襲撃。

サグとナユグ、二つの世界から、バルサはチャグムを守りつつ、夏至の日を目指す。

 

最大の見どころは大迫力の戦闘シーン

三つの人影が、とぶように間合いをつめてくる。クモのように手足の長い人影から白い光が走った。バルサの短槍がうなり、その光を跳ねあげた。キィンと高い音が響いたときには、バルサの短槍はもう、跳ねあげた力をそのままに回転し、右脇から斬りこんできたモンの剣をはじきあげていた。

――バルサ、モン〈狩人〉、真っ暗なあぜ道での戦闘にて

爪が逃した獲物を追って、触手が迫ってきた。バルサは一回転して起き上がると、短槍をひらめくような速さでふり、触手の先端を貫いて地面に縫いつけた。

声にならぬ悲鳴が響き、大地がぶるぶるとふるえた。別の触手が短槍にのびる前に、バルサは触手を踏んで短槍を引きぬいた。が、その、わずかなあいだに、こんどは爪が地面の下からバルサたちを狙って突きあがってきた。

――バルサ、ラルンガとの戦闘にて

 

 ハイファンタジーである精霊の守り人は、戦闘シーンが非常に魅力的。

細かく丁寧に描かれる言葉は、すべてキャラクターたちが、見て、聞いて、感じたこと。一瞬の痛み、迷い、腕に響く感触。そのすべてが繊細な文字となって読者を引き込みます。

 

次第に明らかになる全体像、引き込まれる謎の数々

もう一つ魅力なのは、物語の設定、つまり数々の謎です。

精霊の卵に関する謎、ナユグの謎、呪術師たちの謎、新ヨゴ皇国の謎、建国神話の謎。

全てが別々に存在する謎のように見えていたのに、いつのまにかそれらは一つの大きな大河に終着していく。

読者を飽きさせない筆力に圧倒されます。

 

そして始まる守り人の物語

本作は守り人シリーズの第一作目。

この後に多くの作品が続いていきます。

作者自身は、シリーズを意識したことはあまりないと言っていますが、やはり精霊の守り人からすべてが始まるのはいうまでもありません。

 

この先に続くストーリーの謎、まだまだ明らかになっていないこと、読者を長い大河物語へといざなう一作です。