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ボクは自由な大学生を謳歌する

現役筑波大学生がプロブロガーになるお話

いちご100%に憧れた男たちへ。あの頃の恋愛マンガはよかった


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こんにちは。

みなさんは『いちご100%』という作品をご存知でしょうか。

 

ボクの世代(18-22)くらいの人はみんな知っていることでしょう。

2002-2005年の間に週刊少年ジャンプで掲載された、河下水希先生による恋愛漫画です。

当時漫画界に与えた影響は数しれず、恋愛漫画の金字塔とまで言われた超名作。

さらにその魅力的なキャラクターと、先の読めないストーリー展開は、たくさんの少年たちを魅了しました。

もちろんボクもその一人。

 

週刊少年ジャンプ恋愛漫画といえば、当時は桂正和先生による『I"s』や『電影少女』といった名作がありましたが、いちご100%はかなり毛色の違う作品。

 

その後ジャンプでは『To-LOVEる』や『ニセコイ』、他誌では『君のいる街』なんかが人気となっていきますが、いちご100%は時代的にも大きな転換期にいたと考えられます。

 

ということで今回は、ただひたすらに『いちご100%』という作品について語っていきます。

お付き合いください。

 

 

いちご100%のあらすじ)
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映画監督になりたいという夢を密かに持つ主人公「真中淳平」は、中三の冬、たまたま屋上に登ったところで謎のいちごパンツの美少女に出会う。

 

彼女が一体誰なのか? 

それを探っていくうちに真中は、学校一のマドンナ「西野つかさ」、学校一地味な、だけど小説家になるという密かな夢を抱く「東城綾」と出会う。

 

そこから始まる真中を取り巻く様々なラブストーリー、高校進学後に待ち受ける苦難と美少女たち。

そして文化祭に向けての映画制作を通して、真中と女の子たちの恋が入り乱れる。

 

あらすじはこんなんです。

ではこちらから。

 

1.ジャンプ最後の少年向け恋愛漫画であり、最大の作品


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これはボクが一番声を大にしていいたいことです。

 

上述してますがいちご100%とは、ジャンプの恋愛漫画の中で重要な立ち位置にあります。

 

そもそもこの期間に週刊少年ジャンプという雑誌自体が大きな変貌を遂げたことが大きな要因です。

 

それまではその名の通り、完全に少年向けの雑誌でした。

内容やイラストも少年ウケするものがほとんど。

 

しかし2006年以降、社会の状況が大きく変わります。

 

涼宮ハルヒの憂鬱』、『ゼロの使い魔』などを筆頭に爆発的なアニメブームの到来により、アニメ大量生産時代が始まります。

やがて漫画はいずれアニメ化するのが当たり前に。

 

でもここまではまだ少年漫画を保っていました。

 

しかし2010年代に入ると、いわゆる『腐女子ブーム』が始まりました。

 

これにより、カッコイイ少年が女子たちの興味関心とお金を費やす対象になります。

 

この影響はジャンプにモロに波及することに。

 

誌面では女の子ウケもしそうなキレイな少年たちが活躍するようになりました。

数年前まであった男らしさあるイラストはもはやあまり見られなくなります。

 

それに伴い、恋愛漫画も大きく変動していきました。

 

ということでいちご100%は、言わば最後の少年向け恋愛漫画といえるでしょう。

 

もちろん女の子がジャンプを読むことは悪いことではありません。

ただ、少年誌であるということは絶対に揺るがしてはいけない根幹だと思うということです。

 

よっぽど世間が、読者が変わらない限りは、ボクらはもうジャンプでいちご100%のような青春まっさかりの恋愛漫画を読むことはできないのです。

 

2.熱いのは男だけじゃない、真っ直ぐすぎる女の子たち


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いちご100%の魅力として、やはり挙げざるを得ないのは、女の子たちの真っ直ぐさでしょう。

彼女たちはなぜかみんな真中のことを好きなわけですが、その想いの表し方が本当に真っ直ぐで、正直で切ない。


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例えば画像左の「北大路さつき」は、真中への想いをストレートに伝えすぎてしまう自分に悩む一方で、他のライバルたちの気持ちまで考えてしまうけれども、それでも突っ走ってしまう、そんな女の子。

 

でも結局は真中に振り向いてもらえなくて、時には厳しい言葉を投げかけてしまうことも。

 

その度に一人で落ち込んで、自己嫌悪して。

だけど何度でも立ち上がり、また突っ走る彼女の姿には読者のこちらもとても胸動かされます。

 
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例えば画像右の「南戸唯」は、小さい頃から一個下ではありますが、真中の幼なじみとしてずっと親しい中にありました。

 

でもやっぱり年頃になるにつれて唯にとっての真中は、友達から好きな男へと変わっていきます。

 

唯自身はアプローチしていくわけですが、当の真中はいつまでも年下の幼なじみとして扱ってしまいます。

 

そんな真中に対して唯のぶつける素直に見えて素直じゃない言葉、気づいてほしいというささやかな仕草、どれも惹かれてしまいます。

 

全編を通して主人公真中は、非常に優柔不断な男として描かれていますが、やはりここに女の子たちの本心を引き出すポイントであったり、その優柔不断さが優しさ故にだと気づいたときに、女の子たちはもっと惚れざるを得ないというところに、設定の上手さを感じますね。

 

3.青臭くて熱い。ボクらがどこかに置いてきた夢を追う姿勢に共感


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いちご100%という漫画のジャンル自体は間違いなく恋愛ですが、作中の時間軸やストーリーを進めていくのは、主人公真中の夢である映画監督になること。

 

中三で東城と意気投合するのもお互いの夢について、高校三年間も映像研究部での映画製作を起点に進んでいきます。

 

この作品には、ただひたみちに夢を追いかけるだけでなく、真中だったら最初は恥ずかしくて周りに言えなかったり、失敗すらする前に諦めかけたり、映画監督になるために受験したり、途中で何を目的に走っているのか分からなくなったりします。

 

西野であれば、夢なんて何もなかったけれども、真中に見合う女の子になろうとして料理を始めてパティシエを目指したり、パリへ留学したり、東城は真中のために小説を、脚本を書き、実際に小説家になってからは自分のやりたいことに悩んだりします。

 

こんな風に中高生が夢を追う姿が、本当にリアルに、喜びや涙が音やにおいまで伝わってくるほどに描かれています。

 

そして特筆すべきは、キャラクターそれぞれが必ず干渉し合って(作中では意図的にではなく結果的にという形ですが、作者のレベルの高さが窺えます。)お互いの背中を押しているところでしょう。

 

例えば真中が映画に本気になったのは東城の脚本のお陰ですし、西野がパリ留学を決めたのは真中の姿勢のお陰です。

 

頑張っている姿をお互いが、お互いを見ている。そして自分も頑張る。青臭いかもしれませんが、その熱さをボクらはどこかに置いてきたような気がします。

 

4.繊細な、でも少年漫画のイラスト


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いちご100%のイラストは本当に美しいです。

当時のジャンプでもそれは際立っています。

何人もの美少女が出てくるこの作品ですが、女の子は皆ただ可愛いだけじゃない。

 

時に激しく怒り、時に顔をぐしゃぐしゃにして泣き叫び、ふとした時に笑顔を見せる、そんな生の人間らしさが非常に繊細に、豪快に描かれています。

 

これ以降のジャンプの恋愛漫画は、わりと設定やイラスト重視の言ってしまえば綺麗な作品ばかりですが、いちご100%は違う。

 

そりゃそうです、どんな美少女だって夢に恋に躓いたら苦しくてもがきますし、上手くいけば満面の笑顔になります。

 

別に他の作品を否定したいわけではありません。

いちご100%という作品が抜きん出ているのです。

 

 ――終わりに――


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皆さんは『いちご100%』にどんな思い出がありますか?

 

恋愛漫画として楽しんだ人、ストーリー展開にわくわくした人、当時自分のもどかしい気持ちを投影した人、こんな恋愛をしたいと思った人、夢を追う背中を押された人、色んな人がいると思います。

 

 大人になった今だからこそ、あの携帯もスマホもろくになかった時代の物語を読むのも悪くないかもしれません。

 

色んなことに夢見ていた少年の気持ちを思い出してもいいかもしれません。

 

ぜひ『いちご100%』という作品を忘れないでほしいというのが、ボクがこの記事を書いたたった一つの理由です。

 

冒頭でも触れましたが、今後もうジャンプではこういう作品を読めなくなるかもしれません。

 

それは悲しい。

だって『いちご100%』はそれこそ少年漫画100%だからです。

 

ぜひこの作品を語り継いでいってほしいです。

 

読者次第でいくらでもジャンプは変わるのですから。 

 

御清読ありがとうございました。