ボクらは自由な大学生を謳歌する

現役筑波大学生がプロブロガーになるお話

【小説 感想】江國香織「東京タワー」は何度でも読み返してしまうほど深い作品

江國香織さん、ボクの大好きな作家のひとりです。

その中でもダントツに好きな作品が「東京タワー」

東京タワー [ 江國香織 ]

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感想(58件)

今回はその魅力というかボク個人の好きな点をお伝えします。

 

1.まずは物語の設定に惹かれた

「ありえない」と、当時高校生だったボクは思いました。

だって、大学生と人妻が恋愛する話なんていったいどこにあるのか。

しかも大学生の方にも彼女はいるのです。

その状況で人妻に手を出すなんて正直ありえない。

 

でも小説だからこそできる、そしてそれを違和感を残しながら自然なストーリーしてしまう、そんなところが江國香織の魅力なんだと思います。

 

2.キャラクターに惹かれた。不真面目でマジメな彼らの恋愛観

ここがボクを夢中にさせた一番のポイントかもしれない。

この小説は大学生の透と耕二のダブル主人公。

この二人は人妻と恋愛している時点で全く真面目ではないんだけど、その付き合い方はすごく真面目。

透は何年も愛して愛してやっと届いた恋、耕二の方は遊びで手を出したつもりだったけど一線は必ず引いている。

 

このあたりがただの愛に堕落した男女の物語ではないんだと強く感じさせられる瞬間なんです。

 

3.世の中の非情さ、上手くいかなさ、そのリアリティがそそる

江國香織の作品はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか分からない作品が多いです。

でもボクは、こうした二元論で考えるからよくないと思うんですよね。

江國香織はリアルを書くことができる。

誰にとっても幸せな結末なんてないんです。

 

現実世界だってそう。

ある人にとっては幸せでも、もう一方からしたら不幸なときなんてざらにある。

 

ボクはわりと小説をよく読むほうなのでおすすめの本を聞かれて、江國香織さんの作品をすすめることが多いです。

 

その時に必ず聞かれるのが、「結局ハッピーエンド? バッドエンド?」

 

恋愛シミュレーションゲームなどで「トゥルーエンド」なんて言葉がありますが、江國香織はもっとリアル。

いうなればリアルエンドというところでしょうか。

 

ちゃんと真摯に恋愛に向き合った人が報われたり、何もしていないけどなぜか報われる人、とんでもないくそ野郎が報われる、そんな現実にいくらでも起こることを、江國香織はリアルに描けるんです。

 

だからボクは江國香織さんに魅了されたんですね。

 

4.何度でも読み返してしまう理由

この理由、ボクは不思議でたまらないんです。

わりかしボクは一度読んだ本をあまり読み返さないタイプ。

でもこの本は何度も読み返しています。

なんとなくだけど、その理由は、登場人物がほんとうに真っすぐだからなんじゃないでしょうか。

 

彼らの生き方は社会から愚かだと言われてもおかしくないもの。

でも彼らはそれを突き通す。

その動力は間違いなく愛でしょう。

こんなにも愛に一生懸命になることができる。

その素晴らしさ、潔さ、かっこよさ、そんなところに惹かれたんでしょう。

 

思えばボクがこの本を読み返すときは、だいたい悩んだ時や、頑張りたいとき。

 

きっと自分を奮い立たせているんでしょうね。